『資本論』第3巻を学習する際に重要なのは、第1巻・第2巻との連続性を意識することです。第3巻では利潤率、平均利潤、地代、利子など、資本主義の「表面的な現れ」が扱われますが、その背後には第1巻で論じられた剰余価値の理論があります。したがって、現象を独立したものとしてではなく、その本質との関係で理解する姿勢が必要です。また、第3巻は未完であり、編集者エンゲルスによる補足や構成の影響もあるため、記述の不整合や飛躍に注意しながら読むことが大切です。さらに、数式や比率の議論(利潤率の低下傾向など)では、具体例を自分で計算しながら理解を深めると効果的です。抽象的概念と現実経済の対応関係を常に考えつつ、焦らず段階的に読み進めることが理解への近道となります。
2021年10月27日水曜日
第34回資本論の学習 第1篇商品と貨幣
2021年10月25日月曜日
第33回 資本論の学習 第1篇 商品と貨幣 第1章 第1節 商品の2つの要因ー使用価値と価値(価値の実体 価値の大きさ)p621行目~63末まで
第33回 資本論の学習 第1篇 商品と貨幣 第1章 第1節 商品の2つの要因ー使用価値と価値(価値の実体 価値の大きさ)p621行目~63末まで
それは、時と所とともに絶えず変動する関係である。それゆえ、交換価値(51)
は、なにか偶然的なもの、純粋に相対的なもののように見え、したがって、商品に内的な、内在的な、交換価値(固有価値)というものは、一つの形容矛盾"に見える。事態を、もっと詳しく考察してみよう。
(六)「価値とは、ある物と他の物とのあいだに、ある生産物の一定量と他の生産物の一定量とのあいだに、成立する交換関係である」(ル・トローヌ『社会的利益について』、[所収】デール編『重農主義学派』、パリ、一八四六年、八八九ページ)。
(七)「どんな物も内的な交換価値というものをもつことはできない」(N・バーボン、前出、六ページ)。あるいは、バトラーが言っているように、
「ある物の価値は、ちょうどそれがもたらすであろうだけのものである」。
*1 [「丸い三角形」のように、そのものの概念に矛盾する形容詞がつくこと]
*2 [一七世紀イギリスの諷刺詩人サミュエル・バトラーの詩『ヒューディブラス』、第二部、第一歌、四六五ー四六六行の言い換え]
ある特定の商品、たとえば一クォーターの小麦は、x量の靴墨、y量の絹、z量の金などと、要するにきわめてさまざまな比率で他の諸商品と交換される。
だから、小麦は、ただ一つの交換価値をもっているのではなく、いろいろな交換価値をもっている。
しかし、x量の靴墨もy量の絹もz量の金なども、どれも一クォーターの小麦の交換価値であるから、x量の靴、y量の絹、z量の金などは、互いに置き換えうる、または互いに等しい大きさの、諸交換価値でなければならない。
それゆえ、こういうことになる。第一に、同じ商品の妥当な諸交換価値は一つの等しいものを表現する。
しかし、第二に、交換価値は、一般にただ、それとは 区別されうる ある内実の表現様式、「現象形態」でしかありえない。
* 〔イギリスの体積単位。一クォーターは八英ブッシェル。約二九二リットルにあたる]
さらに、二つの商品、たとえば小麦と鉄とをとってみよう。それらのものの交換比率がどうであろうとも、この比率は、つねに、ある与えられた分量の小麦がどれだけかの分量の鉄に等置される一つの等式、たとえば、1クオータの小麦=aツエントナーの鉄によつて表される。Iこの等式はなにを意味するか? 同じ大きさの一つの共通物が、二つの異なった物のなかに、すなわち一クォーターの小麦のなかにもaツェントナーの鉄のなかにも、実存するということである。
したがって、両者は、それ自体としては一方でもなければ他方でもないある第三のものに等しい。したがって、両者はどちらも、それが交換価値である限り、この第三のものに還元されうるものでなければならない。
* [ドイツの質量単位。一ツェントナーは五Oキログラム]
簡単な幾何学上の一例がこのことを明らかにするであろう。およそ直線形の面積をはかり、比較するためには、それをいくつかの三角形に分解する。
三角形そのものは、その目に見える形とはまったく異なる表現―底辺×高さ÷2 ーに還元される。これと同じように、諸商品の諸交換価値もある共通物に還元されて、諸交換価値は、この共通物の多量または少量を表わすことになる。
2021年10月24日日曜日
第32回 資本論の学習 第1章 商品 第1篇 商品と貨幣
第32回 資本論の学習 第1章 商品 第1篇 商品と貨幣
前回から時間が経過しているので、新日本版で、はじめから出直します。ほとんどが引用となります。注意書きで詳しく解説されていることもあるので、学習のためには参考になるでしょう。
資本論 カール・マルクス 新日本出版社
第一篇商品と貨幣
第一章商品
第一節商品の二つの要因
-使用価値と価値(価値の実体、価値の大きさ)
資本主義的生産様式が 支配している 諸社会の富は、「商品の巨大な集まり」(1)として現われ、個々の商品はその富の要素形態として現われる。それゆえ、われわれの研究は、商品の分析から始まる。
(1) カール・マルクス『経済学批判』、ベルリン、一八五九年、三ページ[邦訳『全集』、第一三巻、一三ページ】。
商品は、なによりもまず、その諸属性によってなんらかの種類の人間的欲求を満たす一つの物、一つの外的対象、である。これらの欲求の性質、すなわち欲求がたとえば胃袋から生じるか想像から生じるかということは、事態をなんら変えない。ここではまた、どのようにして物が人間的欲求を満たすか―直接に生活手段として、すなわち享受の対象としてか、それとも、回り道をして、生産手段としてか――ということも問題ではない。
(Ⅱ)「願望は欲求を含む。それは精神の食欲であり、肉体にとって空腹が自然的であるように、自然的である。
大多数(の物)は、精神の欲求を 満たす ところから、その価値をもつのである」(ニコラス・バーボン
『新貨幣をより軽く鋳造することに関する一論。ロック氏の諸考察に答えて』、ロンドン、一六九六年、二、三ページ)。
鉄、紙などのような有用物は、どれも、二重の観点から、質および量の観点から、考察されなければならない。このような物はどれも、多くの属性からなる一つの全体であり、それゆえ、さまざまなの面で有用でありうる。これらのさまざまな面と、それゆえ物のいろいろな使用の仕方とを発見することは、歴史的な行為である。有用物の量をはかる社会的尺度をみつけ出すこともそうである。諸商品尺度の相違は、一部は、はかられる対象の性質の相違から生じ、一部は、慣習から生じる。
(三)「諸物は一つの内的な値打ち」(これはバーボンにあっては使用価値を表わす独自な表現である)「をもっている。すなわち、諸物はあらゆる場所で同じ値打ちをもっている。たとえば、磁石が鉄を引きつけるというようにである」(バーボン、前出、六ページ)。鉄を引きつけるという磁石の属性は、それを通して磁石の両極性が発見されたとき、はじめて有用になった。
(四)
ある物の有用性は、その物を使用価値にする。しかし、この有用性は空中に浮かんでいるのではない。この有用性は、商品体の諸属性によって制約されており、商品体なしには実存しない。それゆえ、鉄、小麦、ダイヤモンドなどのような商品体そのものが、使用価値または財である。商品体のこの性格は、その使用上の諸属性を取得するために人間が多くの労働を費やすか、少しの労働を費やすかにはかかわりがない。使用価値の考察にさいしては、一ダースの時計、一ェレのリンネル、一トンの鉄などのようなその量的規定性がつねに前提されている。諸商品の諸使用価値は、一つの独自な学科である商品学の材料を提供する(五)。使用価値は、使用または消費においてのみ、実現される。使用価値は、富の社会的形態がどのようなものであろうと、富の素材的内容をなしている。われわれが考察しようとする社会形態においては、それは同時に交換価値の素材的担い手をなしている。
(四)「どんな物の自然的·値打ち,も、人間生活の必要を満たしたり便宜に役立ったりするその適性にある」
(ジョン・ロック「利子引き下げ[……]の諸結果にかんする若干の考察』、一六九一年、所収『著作集』、ロンドン、一七七七年版、第二巻、二八ページ [田中正司・竹本洋訳『利子・貨幣論』、東京大学出版会、六四ページ)。 一七世紀においても、イギリスの著述家たちのあいだで、使用価値として Worth が、交換価値として Value が用いられているのを しばしば見受けるが、これは、直接的な物をゲルマン語で、反省された物をロマンス語で、表現することを好む国語の精神にまったく一致している。
(五) ブルジョア社会では、各人は 商品の買い手として百科全書的な 商品知識をもっているという“擬制」が支配的に行なわれている。
*1 〔長さの古い単位。地域によって異なりプロイセンでは六六.六九センチメートル】
#2 [ラテン語から派生した言語で、イタリア語、スペイン語、フランス語など]
交換価値は、さしあたり、一つの種類の使用価値が他の種類の使用価値と交換される量的関係、すなわち比率として現れる p621行目
注目
『資本論』の学習第234回第3巻資本主義的生産の総過程第1部第5篇利子と企業者利得地への利潤の分割。 利子付き資本第25 章 信用と空資本
5 資本論第3巻第5篇・第25章「信用と空資本」は、資本主義が高度に発展した段階で現れる** 金融の仕組みと“見かけの資本”**を分析する重要な章です。少し抽象的ですが、現代の株式市場 やバブル経済を理解する鍵にもなります。 ■ 全体のテーマ この章の核心はシンプルに言うと:...
また来てね
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