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2025年12月31日水曜日

『資本論』の学習第112回復習第1巻資本の生産過程 第1扁商品と貨幣第1章商品第1節商品の2要素使用価値と価値(価値実体、価値の大いさ)第2節商品に表れる労働の2重性にいついて解説

 



『資本論』第1巻 第1扁「商品と貨幣」第1章「商品」**のうち、
**第1節「商品の2要素(使用価値と価値)」**と
**第2節「商品に表れる労働の2重性」**を、学習会の復習用に体系的に解説します。

第3節 価値形態または交換価値


📘 対象テキスト

資本論(第1巻)


第1節 商品の2要素

― 使用価値と価値(価値実体・価値の大いさ)

① 商品とは何か

マルクスは商品を次のように規定します。

商品とは、人間の欲望を満たすものであり、かつ交換のためにつくられたもの

この商品には、**必ず二つの側面(二要素)**が含まれます。


② 使用価値(Gebrauchswert)

使用価値とは、

その物がどのような役に立つか、どのような欲望を満たすか
という有用性のことです。

  • 使用価値は

    • パン → 食べられる

    • 上着 → 身体を温める
      といった具体的性質に基づく

  • 使用価値は

    • 労働の結果であるが

    • その労働が社会的にどれほど必要かとは無関係

  • 使用価値は質的概念であり、数量比較の基準にはならない

👉 使用価値は、富の物質的内容をなす。


③ 価値(Wert)

価値とは、

商品が他の商品と交換されうる社会的性質
です。

マルクスは、価値を次のように捉えます。

● 価値実体

価値の実体は

人間の労働
ただし、
抽象的人間労働
である。

ここで重要なのは、

  • パン職人の労働

  • 織物工の労働

といった違い(具体性)を捨象し、
**「人間の労働一般」**として把握する点です。


④ 価値の大いさ

価値の大いさは、

商品の生産に必要な社会的に必要な労働時間
によって決まる。

「社会的に必要」とは?

  • 平均的な技術水準

  • 平均的な熟練度

  • 通常の労働強度

のもとで必要な労働時間。

👉

  • 個人的に時間をかけても価値は増えない

  • 生産力が上がれば、同じ商品でも価値は下がる


🔑 第1節の要点整理

区分

内容

使用価値

有用性・質的側面

価値

社会的交換関係

価値実体

抽象的人間労働

価値の大いさ

社会的に必要な労働時間


第2節 商品に表れる労働の2重性

① 労働の2重性とは

マルクスは、商品を生み出す労働には
二つの側面があることを明らかにしました。

この「労働の2重性の発見」こそが
『資本論』理解の核心である


② 具体的有用労働

具体的労働とは、

  • パンを焼く労働

  • 布を織る労働

  • 靴を作る労働

といった、目的・方法・道具の異なる労働。

  • 使用価値を生み出す

  • 労働の質が問題になる

  • 自然と人間の関係に属する側面

👉 具体的労働 → 使用価値


③ 抽象的人間労働

抽象的人間労働とは、

  • 具体性をすべて捨象した

  • 「人間の労働力の支出」一般

  • 価値を生み出す

  • 労働時間によって量が測られる

  • 社会的関係を表す

👉 抽象的人間労働 → 価値


④ なぜ「2重性」が重要か

この区別がなければ、

  • なぜ商品が有用であると同時に交換されるのか

  • なぜ労働が価値を生むのか

  • なぜ生産力上昇が価値を下げるのか

といった問題は説明できません。

👉
資本主義社会では、
労働は常に「具体的」であると同時に「抽象的」
という二重の性格をもつ。


🔑 第2節の要点整理

労働の側面

生み出すもの

具体的有用労働

使用価値

抽象的人間労働

価値


🧭 全体のまとめ(第1章前半の核心)

  • 商品には
    使用価値と価値という二重性がある

  • その根底には
    **労働の二重性(具体的労働/抽象的労働)**がある

  • ここから先、

    • 価値形態

    • 貨幣

    • 剰余価値
      の理論が展開されていく




📘 対象テキスト

資本論(第1巻)


第3節 価値形態または交換価値

――価値はいかにして「現れる」のか

1.第3節の問題意識

第1・2節で明らかになったことは、

  • 価値の実体=抽象的人間労働

  • 価値の大いさ=社会的に必要な労働時間

しかしここで問題が残ります。

価値は目に見えない。
では、価値はどのような形で現れるのか?

この問いに答えるのが価値形態論です。


2.交換価値とは何か

交換価値とは、

一つの商品が、他の商品と
一定の比率で交換される関係

例:

  • 20エレのリンネル = 1着の上着

ここで重要なのは、

  • 交換価値そのものが価値ではない

  • 交換価値は**価値の現れ方(形態)**である

👉
価値形態=価値が社会的に表現される様式


3.価値形態の発展段階

マルクスは、価値形態が歴史的・論理的に発展すると考え、
4つの段階を区別します。


① 単純な・個別的価値形態

20エレのリンネル = 1着の上着

構造

  • リンネル:相対的価値形態

  • 上着:等価形態

意味

  • リンネルの価値が
    上着という他の商品によって表現される

  • 上着は
    自分の価値を表さず、価値を映す鏡になる

👉
価値は一つの商品では表現できない
→ 他商品との関係が必要


② 展開された価値形態

20エレのリンネル
= 1着の上着
= 10ポンドの茶
= 40ポンドのコーヒー
= ……

意味

  • 一つの商品(リンネル)の価値が
    多くの商品で表現される

  • 価値の社会的性格がより明確になる

限界

  • 表現が無限に拡散する

  • 統一的な価値表現がない


③ 一般的価値形態

1着の上着
10ポンドの茶
40ポンドのコーヒー
……
= 20エレのリンネル

構造の転換

  • すべての商品が
    一つの商品で価値を表現

  • リンネルが
    一般的等価物になる

意味

  • 初めて
    社会的に共通な価値表現が成立

  • 価値の社会的承認が可能になる

👉
ここで価値は
「個別関係」から「社会的関係」へ飛躍


④ 貨幣形態

特徴

  • 一般的等価物が
    特定の商品に固定

  • 歴史的には
    金・銀などがその役割を担う

結果

  • 商品 = 貨幣
    という形で価値が表現される

👉
貨幣とは、価値形態の完成形


4.等価形態の謎(重要)

等価形態には、日常感覚を逆転させる特徴があります。

等価形態の三つの特性

  1. 使用価値が価値の現象形態になる

  2. 具体的労働が抽象的人間労働の現象形態になる

  3. 私的労働が直接に社会的労働として現れる

👉
ここに後の
**商品物神性(フェティシズム)**の萌芽がある。


5.第3節の核心的意義

  • 価値は

    • 物の中に自然にあるのではない

    • 人と人との社会関係である

  • しかしその関係が
    物と物との関係として現れる

👉
資本主義社会の「見え方の錯倒」が
この価値形態の中にすでに含まれている。


🔑 要点整理

段階

内容

単純な価値形態

個別的交換関係

展開された価値形態

多面的だが不統一

一般的価値形態

共通の価値表現

貨幣形態

一般的等価物の固定


🧭 次へのつながり

第3節を理解すると、

  • なぜ貨幣が不可欠なのか

  • なぜ商品が「自然に価値をもつ」ように見えるのか

注目

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