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2026年5月4日月曜日

 『資本論』の学習第243回第3巻資本主義的生産の総過程第1部第5篇利子と企業者利得地への利潤の分割。 利子付き資本第35章貴金属と為替相場第1節金準備の運動第2節為替相場対アジア為替相場イギリスの貿易差額

 


 

ここは 資本論 第3巻の中でも、「金融・国際収支・金(ゴールド)」がどう結びつくかを扱う

重要パートです。少し噛み砕きつつ、筋を通して説明します。


◆ 第35章の全体像(まずここを押さえる)

この章で カール・マルクス がやっているのは:

👉 「資本主義の国際取引の裏側で、金と為替がどう動くか」
👉 「それが利子付き資本(金融)とどう関係するか」

つまり、
実体経済(貿易)と金融(為替・金準備)がつながる構造の分析です。


◆ 第1節:金準備の運動

ここはかなり重要です。

● ポイント

  • 各国は「金準備(ゴールド)」を持っている

  • 国際決済は最終的に「金」で決済される(当時は金本位制)

● どう動くか

たとえば:

  • 輸入が多い(赤字)
    → 支払いのために金が国外へ流出

  • 輸出が多い(黒字)
    → 金が国内に流入

👉 つまり
金の移動=国際収支の調整装置


● マルクスの見方

ここがポイントで、単なる仕組み説明では終わりません。

  • 金の流出入は
    → 信用(銀行・手形)を揺さぶる

  • 結果として
    → 利子率が変動する
    → 恐慌の引き金にもなる

👉 金準備は「静的な貯金」じゃなくて
金融システム全体を動かすスイッチ


◆ 第2節:為替相場(特にアジア為替)

ここは少しややこしいけど面白いところです。


● 為替相場の基本

為替は:

  • 国と国の通貨の交換比率

  • でも実際は
    → 貿易差額
    → 債権・債務
    → 投資
    など全部が絡む


● ヨーロッパ内とアジアとの違い

ヨーロッパ間

  • 手形や信用でかなり相殺できる

  • 実際に金が動くのは最後だけ

👉 比較的「金融的に処理」できる


アジアとの貿易(ここが核心)

当時のアジア(例:インド、中国)は:

  • ヨーロッパ製品をあまり買わない

  • でもヨーロッパは
    → 茶・絹・香辛料などを大量輸入

👉 結果:

ヨーロッパ → アジアへ一方的に支払いが発生


● どう支払うのか?

ここで問題が出る。

通常なら:

  • 商品で相殺

  • 金融で調整

でもそれができない。

👉 結果:

金(銀)が直接アジアへ流出


● マルクスの重要な指摘

これは単なる貿易問題ではなく:

👉 「世界経済の不均衡構造」

  • ヨーロッパ中心の資本主義

  • アジアは商品供給地

しかし:

  • 支払いは金属貨幣でしかできない

👉 つまり
資本主義の拡張が金流出という形で現れる


◆ イギリスの貿易差額(核心部分)

当時の イギリス を例に説明されています。


● 表面上の矛盾

イギリスは:

  • 世界最大の輸出国
    👉 普通なら黒字のはず

でも実際は:

👉 アジアとの取引では赤字


● なぜ成り立つのか?

ここがマルクスの鋭い分析です。

イギリスは:

  • インドなどからの収奪(植民地支配)

  • 海運・保険・金融サービス収入

  • 他国への貸付利子

👉 これらで補填している


● つまり

単純な「貿易収支」ではなく:

👉 総合的な国際収支で黒字を維持


● それでも起こること

しかし:

  • アジア向け支払いは金属貨幣中心

  • だから
    → 金準備が圧迫される

👉 これがロンドン金融市場に影響


◆ まとめ(この章のキモ)

かなり圧縮するとこうです:


① 金準備はただの備蓄じゃない

→ 信用・利子・恐慌に直結する

② 為替は単なる通貨交換ではない

→ 世界経済の力関係を反映する

③ アジア貿易は特殊

→ 金属貨幣の一方的流出を生む

④ イギリスは矛盾的構造

→ 貿易赤字でも帝国的収入で黒字維持


◆ ひとことで言うと

この部分は:

👉 「資本主義は世界規模で不均衡を生み、それが金融と金の動きに現れる」

という話です。



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