📖『資本論』再学習 第30回
第1巻 第1冊 資本生産過程
第3篇 絶対的剰余価値の生産
第8章 労働日
第5節 標準労働日のための闘争 ― 14世紀中葉から17世紀末に至る労働日
延長のための強制法
この節では、マルクスは**「長時間労働は自然に生まれたものではなく、国家権力によ
って強制された」**ことを歴史的に説明しています。
🔹時代背景
14世紀半ばのヨーロッパでは、**ペスト(黒死病)**が流行しました。
人口が大幅に減少したため、
労働者が不足する
賃金が上昇する
労働者が仕事を選べるようになる
という状況になりました。
これは地主や資本家にとって大きな問題でした。
⚖️支配階級は法律で労働を強制
そこで国王や地主は、
「もっと長く働け」
という法律を作ります。
マルクスはこれを
労働日延長のための強制法
と呼んでいます。
📜どのような法律だったのか
当時の法律では、
✅ 一定年齢以下の人は働かなければならない
✅ 勝手に仕事を辞めてはいけない
✅ 決められた賃金以上を要求してはいけない
✅ 働かない人は罰せられる
などが定められました。
つまり、
国家が資本家や地主の利益を守るために介入した
のです。
💰賃金も法律で抑え込む
労働者不足なら本来、
賃金は上がるはずです。
しかし支配者は
「賃金を上げるな」
という法律まで作りました。
つまり、
市場に任せるのではなく、
法律で低賃金を維持した
ということです。
⛓️労働時間はどんどん延びる
当時は
「一日○時間」
という標準労働日は存在しませんでした。
そのため、
日の出から日没まで、
あるいはそれ以上働くことも珍しくありませんでした。
資本家や地主は
利益を増やすため、
できるだけ長時間働かせようとしました。
🏭資本主義の発展とともに
産業革命が始まると、
工場制機械工業によって
さらに長時間労働が進みます。
女性や子どもまで
14~16時間働かされるようになりました。
その結果、
労働者は健康を失い、
家庭生活も破壊されました。
✊そこで始まる「標準労働日」の闘争
労働者は
「働く時間を法律で決めてほしい」
と要求します。
つまり、
最初は国家が
労働時間を延ばす法律
を作りましたが、
その後、
労働者の運動によって
労働時間を制限する法律
が作られるようになります。
これが
工場法
へとつながっていきます。
📌この節でマルクスが伝えたかったこと
マルクスは、
「自由市場だから長時間労働になった」のではなく、
国家権力が資本家・地主の利益を守るために法律を使い、労働を強制した
ことを歴史から示しました。
そして労働者は団結して闘うことで、
初めて労働時間を制限する法律を勝ち取ることができたと論じています。
📝第30回まとめ
✅ 黒死病後の労働力不足で賃金が上昇した。
✅ 支配者は法律で労働を強制し、労働日を延長した。
✅ 賃金の上昇も法律で抑え込まれた。
✅ 国家権力は資本家・地主の利益を守る役割を果たした。
✅ 労働者の闘争によって、後に「標準労働日」が法律で定められるようになった。
📚 この第5節は、「労働時間は自然に決まるのではなく、社会的・政治的な力関係の中で
決まる」ということを、歴史を通して明らかにした重要な章です。

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