📖『資本論』再学習 第32回
第1巻 第1冊 資本生産過程
第3篇 絶対的剰余価値の生産
第8章 労働日
第6節 標準労働日のための闘争
― イギリスの工場立法の他の諸国への反応
この部分でマルクスは、イギリスで成立した工場法が世界各国にどのような影響を与えたのかを説明しています。
① イギリスは世界で最初に労働時間を法律で制限した国
19世紀前半のイギリスでは、
👶児童労働
👩女性労働
⏰16時間を超える長時間労働
が当たり前でした。
しかし労働者の運動や社会問題の深刻化を受け、
1833年 工場法
1844年 工場法
1847年 十時間法
などが制定されました。
これによって、
「労働時間は国家が法律で制限できる」
という新しい考え方が誕生しました。
これは当時としては革命的な出来事でした。
② 他の資本主義国は最初は反対した
イギリス以外の国では、
資本家たちは
「そんな法律を作れば国際競争で負ける」
と強く反対しました。
理由は単純です。
長く働かせるほど
生産量が増える
利益が増える
と思っていたからです。
③ しかしイギリス経済は衰退しなかった
資本家たちの予想とは逆に、
工場法ができても
イギリスの工業生産は成長を続けました。
その理由は
⚙️機械化
⚙️技術革新
⚙️労働の効率化
によって、
短い労働時間でも十分な生産が可能になったからです。
マルクスは、
資本は労働時間を短縮する代わりに、生産性を高める方向へ進んだ
と考えました。
④ 他国も次第に工場法を導入する
イギリスの成功を見ると、
ヨーロッパ各国でも工場法が広がりました。
例えば
🇫🇷フランス
🇩🇪ドイツ
🇧🇪ベルギー
🇨🇭スイス
などでも、
徐々に
児童労働規制
女性保護
労働時間制限
が整備されていきました。
つまり
イギリスは世界のモデルとなったのです。
⑤ 工場法は資本家の善意ではない
マルクスが最も強調した点はここです。
工場法は
❌資本家が親切だから
できたのではありません。
労働者が
ストライキ
労働組合
議会への要求
などを通して
勝ち取った成果でした。
つまり
標準労働日は階級闘争の成果
なのです。
⑥ 国家の役割も変化した
当初、
国家は資本家の利益を守る立場でした。
しかし、
社会問題があまりにも深刻になると、
国家は最低限の労働保護を行うようになります。
マルクスは
これを
資本主義を維持するためにも一定の規制が必要になった
と考えました。
🌟この節のポイント(まとめ)
✅ イギリスは世界で初めて工場法によって労働時間を制限した。
✅ 他国の資本家は当初「競争に負ける」と反対した。
✅ しかし機械化と生産性向上によってイギリス産業は発展を続けた。
✅ その結果、フランス・ドイツなど他国にも工場法が広がった。
✅ 標準労働日は資本家の善意ではなく、労働者の闘争によって勝ち取られた。
✅ マルクスは、工場立法の国際的な広がりを資本主義発展の歴史的成果であると同時に、労働者の闘争の成果として評価した。

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