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2026年4月27日月曜日

『資本論』の学習第3巻資本主義的生産の総過程第1部第5篇利子と企業者利得地への利潤の分割。 利子付き資本第28章流通手段と資本トゥックおよびプラートンの見解  第29章銀行資本

 




資本論第3巻・第5篇「利子と企業者利得への利潤の分割」の第28章は、資本主義における信用・流通手段・利子付き資本の役割をめぐる重要な理論部分です。特に、古典派経済学者であるトマス・トゥックジョン・フラートン(※質問の「プラートン」は通常フラートンを指します)の議論を批判的に検討しています。29章銀行資本に進んでいます。


🔍 第28章のテーマ(全体像)

この章の核心は次の問いです:

👉 「貨幣(流通手段)の量は経済を動かす原因なのか?それとも結果なのか?」

マルクスはこれを通じて、

  • 利子付き資本(貸付資本)
  • 信用制度
  • 銀行・通貨流通

の関係を明らかにしようとしています。


🧠 トゥックとフラートンの主張(銀行学派)

彼らの基本的立場

トゥックとフラートンは「銀行学派(Banking School)」に属し、こう主張しました:

✔ 主張①:通貨量は経済活動に応じて決まる

  • 商品取引が増えれば → 通貨需要が増える
  • 銀行はその需要に応じて信用を供給する

👉つまり
通貨量は原因ではなく結果である


✔ 主張②:銀行券の過剰発行は問題ではない

  • 実際の商業取引に基づく限り、銀行券は自然に調整される
  • 過剰発行は起きにくい

👉これを「実需説(real bills doctrine)」とも呼びます


⚖️ マルクスの評価(重要)

マルクスは彼らの議論を部分的に正しいが不十分と評価します。


👍 評価する点(正しい部分)

マルクスは次を認めます:

  • 通貨量は単純に中央が決めるものではない
  • 実際の取引(資本の運動)に依存する

👉ここはトゥックらと一致


❗ 批判する点(決定的)

しかしマルクスは次を強く批判します:

① 信用制度の独自の運動を軽視している

  • 銀行信用は単なる「取引の反映」ではない
  • 投機や信用膨張によって独自に拡大する

👉結果:

  • バブル
  • 金融危機

が発生する


② 利子付き資本の本質を見ていない

マルクスにとって重要なのは:

👉 貨幣が「自己増殖する価値」として扱われること

つまり:

  • お金 → 貸す → 利子を生む
  • これが「利子付き資本」

しかしトゥックらはこれを単なる流通問題として扱ってしまう


③ 流通手段と資本の区別が不十分

マルクスは区別します:

概念内容
流通手段商品交換の媒介としての貨幣
資本価値を増殖させる運動

👉トゥックらはこの区別が曖昧


💡 この章の核心ポイント(まとめ)

① 通貨量は「結果」である(一定の真理)

  • 経済活動に依存する

② しかし信用は自律的に膨張する

  • 単なる反映ではない
  • 危機を生む要因になる

③ 利子付き資本の幻想

  • お金がお金を生むように見える
  • これが資本主義の「神秘化」

🔗 第5篇全体とのつながり

この章は、第5篇のテーマである:

👉 利潤が「利子」と「企業者利得」に分裂する構造

を理解するための土台です。

  • 利子 → 貸した資本の取り分
  • 企業者利得 → 実際に運用した資本の取り分

そして信用制度は:
👉この分割を可能にする仕組み


🎯 わかりやすく一言で

👉 「お金は単に流れているだけではなく、資本として増殖し、その過程で信用が独自に膨張し危機を生む」



第29章(銀行資本)

資本論第3巻・第5篇の**第29章「銀行資本の構成部分」**は、資本主義における銀行の役割を「資本の一形態」として解剖する重要な章です。ここでは、銀行が扱う資本の中身を細かく分け、その本質を明らかにしています。


🔍 第29章の核心テーマ

👉 銀行はどのような資本を扱い、それは本当に「資本」なのか?

マルクスの結論を先に言うと:

👉 銀行資本の大部分は「他人の資本」や「擬制的(架空)資本」である


🧱 銀行資本の3つの構成要素

マルクスは銀行資本を大きく3つに分けます:


① 現金準備(金・貨幣)

  • 金や中央銀行券などの現実の貨幣
  • 支払い・引き出しに備える

👉これは実在する価値


② 預金(他人資本)

  • 企業や個人が銀行に預けたお金
  • 銀行にとっては「借りている資本」

👉重要ポイント:

  • 銀行の資本の大部分はこれ
  • しかし銀行自身の資本ではない

③ 有価証券(利子生み資産)

  • 国債、株式、手形など
  • 将来の収益(利子・配当)を請求する権利

👉ここが最も重要:

➡️ これは「現実の資本」ではなく
👉 架空資本(fictitious capital)


💡 架空資本とは何か?

マルクスの核心概念の一つです。

✔ 定義

👉 将来の収入を資本として現在評価したもの

例:

  • 国債 → 将来の税収から利子が支払われる
  • 株式 → 将来の利潤への請求権

❗ ポイント

  • 実際の生産には直接関与しない
  • しかし市場では「資本」として売買される

👉つまり:
価値の「影」だけが独立して動く


⚙️ 銀行の本質(マルクスの見方)

銀行の役割は単なる仲介ではありません。


① 資本の集中と再配分

  • 分散した貨幣を集める
  • 資本として再投資する

👉資本主義の拡大を加速


② 利子付き資本の中心機関

  • 貸付 → 利子を生む
  • 利潤の分割を制度化する

③ 架空資本の増殖装置

  • 証券取引・信用創造
  • 実体以上に資本が膨張

👉ここが非常に重要:
資本主義の不安定性の源泉


⚠️ マルクスの批判的ポイント

① 「銀行=資本家」という幻想

銀行は巨大な資本を持つように見えるが:

👉実際は

  • 預金者の資本
  • 社会全体の資本

を運用しているだけ


② 資本の二重化

同じ価値が:

  • 実際の資本(工場・機械)
  • 証券としての資本(株・債券)

👉二重に存在するように見える


③ 危機の構造

  • 架空資本は簡単に膨張する
  • しかし実体価値が伴わない

👉結果:

  • バブル崩壊
  • 金融危機

🔗 第28章とのつながり

前章(第28章)では:
👉 通貨と信用の理論

この第29章では:
👉 その信用を担う銀行の中身を具体的に分析


🎯 一言でまとめると

👉 銀行は「自分の資本」を動かしているのではなく、他人の資本と架空資本を組み合わせて運動させる装置である


📘 理解を深めるコツ

この章は抽象的なので、こう考えると分かりやすいです:

  • 銀行=巨大な「資本のハブ」
  • しかし中身は
    • 他人のお金
    • 将来の約束(証券)

👉それが「資本」として扱われること自体が資本主義の特徴

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