『資本論』第3巻・第1部・第1篇・第6章第1節は、「原材料(ここでは原料)の価格変動」
が資本家の利潤率にどう影響するかを、かなり実務的に分析している箇所です。ポイント
を整理してわかりやすく解説します。
◆ 基本前提(この節の前提理解)
まず前提として:
原料料=原材料(不変資本の一部)
利潤率 = 利潤 ÷ 投下資本(不変資本+可変資本)
つまりここでは
👉「原材料の価格が変わると利潤率がどう変わるか」
を見ています。
◆ ① 原料価格が上がる場合(原材料高騰)
● 何が起こるか
原料の価格が上昇すると:
同じ生産量でも不変資本(原材料費)が増加
しかし労働者が生み出す価値(=剰余価値)は基本そのまま
● 結果
👉 利潤率は低下する
理由
利潤率はこうだから:
分子(利潤)=ほぼ変わらない
分母(総資本)=増える
→ 割合が下がる
◆ ② 原料価格が下がる場合(原材料安)
逆に:
原材料費が減る
投下資本が小さくなる
👉 利潤率は上昇する
◆ ③ なぜ「直接の影響」と言うのか
この節でマルクスが強調しているのは:
👉 これは流通や需要ではなく、純粋に価値構成の変化による影響
つまり:
売れ行きが変わったわけではない
労働搾取率が変わったわけでもない
それでも利潤率は変わる
→ これが「直接の影響」
◆ ④ 剰余価値率との違い
重要ポイントです。
剰余価値率(搾取率)
→ 労働者と資本家の関係利潤率
→ 資本全体に対する割合
原料価格の変動は:
👉 剰余価値率には影響しない
👉 しかし利潤率には影響する
◆ ⑤ マルクスの狙い(この節の核心)
この議論でマルクスが言いたいのは:
✔ 利潤率は「搾取の度合い」だけでは決まらない
同じ搾取率でも
原材料価格次第で利潤率は上下する
👉 つまり
利潤率 ≠ 搾取率
◆ ⑥ 現代的なイメージ
わかりやすく言うと:
原油価格が上がる → 製造コスト増 → 利潤率低下
半導体価格が下がる → コスト減 → 利潤率上昇
原料はその典型例として使われています。
◆ まとめ
この節の要点はシンプルです:
原材料(顔料)の価格上昇
→ 投下資本増加
→ 利潤率低下原材料価格の下落
→ 投下資本減少
→ 利潤率上昇
これは
👉 搾取率とは無関係に起こる「直接的効果」
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