follow me

 



2026年6月26日金曜日

『資本論』の再学習第20回第1巻第1冊資本生産過程 第3扁絶対的剰余価値の生産第5章労働過程と価値増殖過程第2節価値増殖過程について解説

 



📚『資本論』再学習 第20回

第1巻 第1冊 資本生産過程

第3篇 絶対的剰余価値の生産

第5章 労働過程と価値増殖過程

第2節 価値増殖過程

前回は「労働過程」を学びました。

そこでは、

  • 人間は自然に働きかける

  • 労働は使用価値(役に立つもの)を作る

  • 労働そのものはどんな社会にも存在する

ということを学びました。

しかし、ここでマルクスは重要な問いを投げかけます。

資本家はなぜ利益(剰余価値)を得られるのか?

これが今回学ぶ価値増殖過程です。


① 労働過程だけでは資本主義は説明できない

パン職人がパンを焼く。

農家が野菜を育てる。

家具職人が机を作る。

これはどれも「労働過程」です。

しかし、

資本主義では

商品を作ることが目的ではありません。

目的は

お金を増やすこと

なのです。

つまり

商品は利益を生み出す手段

になります。


② 資本家は何を買うのか

資本家は市場で

  • 原材料

  • 機械

  • 建物

  • 労働力

を買います。

例えばパン工場なら

  • 小麦粉100円

  • バター50円

  • オーブン代50円

合計200円

さらに

労働者へ

賃金100円

支払います。

すると合計300円になります。


③ 商品の価値はどう決まるか

パンが完成しました。

販売価格が

400円だったとします。

すると

投入した価値は

300円

販売価格は

400円

差額は100円です。

この100円が

資本家の利益です。

では

この100円は

どこから生まれたのでしょう?


④ 原材料は価値を増やさない

小麦粉は

100円で買えば

100円分しか価値を持ちません。

バターも同じです。

オーブンも

減価償却された分しか価値を移しません。

つまり

生産手段は

自分以上の価値を生みません。

これをマルクスは

不変資本

と呼びます。

つまり

価値を移すだけです。


⑤ 労働力だけが価値を増やす

ここが資本論最大のポイントです。

資本家が100円払って買ったものは

「労働」

ではありません。

買ったのは

労働力

です。

労働力とは

働く能力です。

例えば

労働者は

4時間働けば

100円分の価値を生み出せます。

ところが

実際には

8時間働きます。

すると

8時間で200円分の価値を作ります。

賃金は100円。

でも

生み出した価値は200円。

差額100円。

これが

剰余価値

です。


⑥ 労働者は損をしているのか?

ここで誤解してはいけません。

マルクスは

資本家が法律違反をしているとは言っていません。

労働者は

契約通り

賃金100円を受け取っています。

資本家も

市場価格で労働力を買っています。

つまり

交換そのものは

公平です。

しかし

買われた労働力には

自分以上の価値を生み出す能力

があります。

ここに

資本主義の秘密があります。


⑦ 労働時間には2種類ある

マルクスは

1日の労働を

2つに分けました。

必要労働時間

賃金分を稼ぐ時間

4時間


剰余労働時間

資本家の利益になる時間

4時間

つまり

8時間働けば

時間

内容

前半4時間

自分の生活費を稼ぐ

後半4時間

資本家の利益を作る

という構造になります。


⑧ 剰余価値とは

剰余価値とは

労働者が無償で資本家に提供した労働

ではなく、より正確には、

労働力の価値(賃金)を超えて新たに生み出された価値

を指します。

これが

資本家の利益

利子

配当

地代

などの源泉になります。


⑨ 資本主義の特徴

普通の商品交換なら

商品⇔貨幣

で終わります。

しかし資本主義では

貨幣

商品(労働力+生産手段)

生産

商品

より多くの貨幣

になります。

つまり

G-W-G'(貨幣-商品-増殖した貨幣)

です。

最後の貨幣が増える理由が

労働力だったのです。


⑩ なぜ重要なのか

古典派経済学者は

利益は

  • 安く買って高く売る

  • 商売が上手だから

と考えることが多くありました。

しかしマルクスは

そうではなく

利益は

生産の現場

で生まれることを証明しました。

だから

工場こそ

資本主義を理解する鍵になるのです。


🌟今回のポイントまとめ

✅ 労働過程は「物を作る過程」である。
✅ 資本家の目的は「価値を増やすこと」である。
✅ 生産手段(原料・機械)は価値を移すだけで、新しい価値は生まない(不変資本)。
✅ 労働力だけが新しい価値を生み出す。
✅ 労働者は賃金以上の価値を生産する。
✅ 賃金を超えて生み出された価値が「剰余価値」である。
✅ 必要労働時間と剰余労働時間に分けることで、資本主義の利益の仕組みが理解できる。
✅ 『資本論』では、利益は流通ではなく生産過程で生まれると考える。


📖 次回予告(第21回)

いよいよ第6章 「不変資本と可変資本」 に入ります。

ここでは、

  • 不変資本(機械・原材料)

  • 可変資本(労働力)

  • なぜ労働力だけが剰余価値を生み出すのか

をさらに詳しく学び、資本主義の利益構造をより深く理解していきます。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注目

『資本論』再学習 第31回 第1巻 第1冊 資本生産過程 第3篇 絶対的剰余価値の生産 第8章労働日 的剰余価値の生産 第8章 第6節標準労働日のための闘争。労働時間の強制法による制限。1833年から1864年のイギリスの工場立法について解説

  📖『資本論』再学習 第31回 第1巻 第1冊 資本生産過程 第3篇 絶対的剰余価値の生産 第8章 労働日 第6節 標準労働日のための闘争 ― 労働時間の強制法による制限(1833年~1864年のイギリス工場立法) この節では、マルクスは**「労働時間を制限する法...

また来てね