📖『資本論』再学習 第21回
第1巻 第1冊 資本生産過程
第3篇 絶対的剰余価値の生産
第6章 不変資本と可変資本
『資本論』第6章は、マルクス経済学の中でも最も重要な章の一つです。ここでは、**
「資本には二つの種類がある」**という考え方を説明しています。
この区別を理解すると、「なぜ労働者だけが利益(剰余価値)を生み出すのか」がはっ
きり見えてきます。
🌟 第6章のテーマ
資本家は工場を経営するために様々なものへお金を使います。
例えば、
🏭 工場
⚙️ 機械
🪵 原材料
👨🏭 労働者への賃金
一見すると、どれも同じ「資本」に見えます。
しかしマルクスは
「役割がまったく違う」
と考えました。
そこで資本を二つに分類します。
📌① 不変資本(Constant Capital)
**不変資本(c)**とは、
生産しても価値が増えない資本です。
例えば
🏭 工場
⚙️ 機械
🔩 工具
🌾 原材料
⚡ 燃料
などです。
これらは新しい価値を生みません。
例えば、
100円の木材を使えば
出来上がった机には
木材100円分の価値が移るだけです。
つまり
価値を移転するだけ
なのです。
だから
価値は変化しない=不変資本
と呼ばれます。
📌② 可変資本(Variable Capital)
一方、
労働者の賃金
だけは違います。
これを
可変資本(v)
と呼びます。
例えば
資本家が
👨🏭賃金1万円
を支払ったとします。
しかし労働者は
8時間働いて
2万円分の商品価値を作ることがあります。
すると
2万円−1万円=1万円
が新しく生まれます。
この新しく生まれた価値が
剰余価値
です。
つまり
労働力だけが
価値を増殖させます。
だから
可変資本
と呼ばれます。
📌 なぜ「可変」なのか?
賃金そのものは一定です。
しかし
労働力は
それ以上の価値を生みます。
つまり
資本が
増える
(変化する)
のです。
だから
可変資本
という名前になります。
📌 不変資本は利益を生まない
例えば
木材100円
機械50円
これらを使っても
150円分の価値しか商品へ移りません。
新しい価値はゼロです。
つまり
不変資本だけでは
利益は絶対に生まれません。
📌 労働だけが価値を増やす
マルクスはここを非常に重視しました。
例えば
木材100円
機械50円
賃金50円
合計200円
労働者が300円の商品を作れば
300−200=100円
この100円が
剰余価値
です。
利益は
機械ではなく
労働者が生み出しています。
📌 なぜ資本家は利益を得られるのか
ここが重要です。
資本家は
「労働そのもの」
を買うのではありません。
買うのは
労働力
です。
労働力の商品価格(賃金)は
生活費で決まります。
しかし
実際に働く時間は
生活費を生み出す時間より長い。
例えば
4時間で賃金分を作り
残り4時間は
資本家の利益を作ります。
これが
剰余労働
です。
📌 資本の公式
マルクスは資本を
c+v
と表しました。
c=不変資本
v=可変資本
商品価値は
c+v+m
になります。
ここで
c=機械・材料
v=賃金
m=剰余価値
となります。
この式は『資本論』全体を理解するうえで基本となる考え方です。
📌 この章が伝えたいこと
古典派経済学では、
「利益は資本全体から生まれる」
と考えられることが多くありました。
しかしマルクスは、
利益を生み出すのは労働力だけであり、機械や原材料は価値を移すだけだと主張します。
そのため、資本を「不変資本」と「可変資本」に分けることは、資本主義の利益の源泉
を分析するうえで欠かせない考え方になります。
第6章 不変資本と可変資本🌟今回のポイントまとめ
✅ 資本は「不変資本」と「可変資本」に分けられる。
✅ **不変資本(c)**は機械・工場・原材料などで、新しい価値を生み出さず、既存の価値
を商品へ移転するだけである。
✅ 可変資本(v)は労働力(賃金)に投じられる資本である。
✅ 労働力だけが賃金以上の価値を生み出し、その超過分が剰余価値(m)となる。
✅ 商品価値は c+v+m で表される。
✅ 利益の源泉は機械や設備ではなく、人間の労働力にあるとマルクスは考えた。
✅ この区別は、以後に学ぶ剰余価値率・労働日の延長・資本蓄積などを理解するための土台となる。
📚 次回予告(第22回)
第7章「剰余価値率」では、不変資本・可変資本の考え方をもとに、「労働者がどれだけ
資本家のために無償で働いているのか」を数式を交えながら学びます。ここで必要労働
時間・剰余労働時間・剰余価値率という、『資本論』の核心概念が登場します。

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