📖『資本論』再学習 第23回
第1巻 第1冊 資本生産過程
第3篇 絶対的剰余価値の生産
第7章 剰余価値率
第2節 生産物の比例諸部分における生産物価値の表示
この節では、マルクスは前節で説明した**剰余価値率(m/v)**を、生産された商品の数量
からも理解できることを説明しています。
つまり、
「1日の生産物を分けるだけで、必要労働と剰余労働が見える」
という考え方です。
🌟1. 商品には一日の労働時間が詰まっている
労働者は1日働くと、多くの商品を作ります。
例えば、
10時間働く
商品を100個作る
とします。
この100個の中には、
賃金を回収するために作った部分
資本家の利益になる部分
が混ざっています。
つまり
100個全部が同じ意味ではない
ということです。
🌟2. 必要労働時間が商品の一部になる
例えば
1日の労働時間
10時間
その内訳
必要労働 4時間
剰余労働 6時間
なら、
商品の100個は
必要労働分 40個
剰余労働分 60個
と考えられます。
つまり
100個の商品は
🟦40個=労働者自身の生活費
🟥60個=資本家の利益
を表しています。
🌟3. 商品を切り分けると搾取率が見える
労働時間だけでは少し難しいですが、
商品の数量で見ると非常に分かりやすくなります。
例えばパン100個なら
🍞🍞🍞🍞🍞🍞🍞🍞🍞🍞……
40個
→労働者の生活費
60個
→資本家が受け取る部分
つまり
労働者は100個作っても40個分しか受け取っていない
ということになります。
🌟4. 不変資本は除いて考える
ここで重要なのが
機械
原材料
工場
などは
すでに存在していた価値です。
これは
新しい価値ではありません。
だから
商品価値
c+v+m
のうち、
比較するのは
v+m
だけです。
つまり
新しく生み出された価値だけを見るわけです。
🌟5. 具体例
商品100個
価値
c=400円
v=200円
m=300円
合計900円
しかし
新しく作られた価値は
200+300
=500円
つまり
500円分だけを考えると
労働者 200円
資本家 300円
割合は
2:3
になります。
これを商品数量で表すと
100個中
40個
→必要労働
60個
→剰余労働
となります。
🌟6. マルクスが言いたかったこと
資本主義では、
賃金は「働いた分すべて」ではありません。
実際には、
労働者は
必要労働時間を終えたあとも働き続け、
その成果は資本家の利益になります。
だから
商品の中には
目に見えない剰余労働
が隠されているのです。
マルクスは
商品の数量に置き換えることで、
その関係を誰でも理解できるように示しました。
🌟この節のポイント
✅ 生産物全体には1日の労働時間が反映されている。
✅ 必要労働時間と剰余労働時間は、生産物の数量比として表すことができる。
✅ 商品100個なら、40個が必要労働、60個が剰余労働というように考えられる。
✅ 比較するのは v+m(新しく生み出された価値)のみで、不変資本 c は除外する。
✅ 商品を見るだけでも、労働者と資本家への価値配分を理解できる。
✅ マルクスは、生産物の数量を通じて剰余価値率を直感的に示した。
📝まとめ
第7章第2節では、「労働時間の割合は、そのまま生産物の割合として表現できる」ことが
示されました。
例えば、1日の労働のうち40%が必要労働、60%が剰余労働なら、生産物も40%が労働者
の生活費を補う部分、60%が資本家の利益を生み出す部分に対応します。ただし、これは*
*新たに生み出された価値(v+m)についての話であり、原材料や機械などの不変資本(
c)**はこの比率の計算から除かれます。
この考え方によって、商品の背後に隠れている労働の配分が目に見える形となり、剰余価
値率が単なる数式ではなく、生産物の中に具体的に現れていることをマルクスは明らかに
しました。これにより、資本主義における利益の源泉が労働者の剰余労働にあるという
主張が、より理解しやすく示されているのです。

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