📖『資本論』再学習 第37回
第1巻 第1冊 資本生産過程
第4篇 相対的剰余価値の生産
第12章 分業と工場手工業(Division of
Labour and Manufacture)
第11章では「協業(多人数で一緒に働くこと)」を学びました。
第12章では、その協業がさらに発展し、一人ひとりが仕事を細かく分担する**「分業」と
「工場手工業(マニュファクチュア)」**についてマルクスが詳しく説明しています。
① 分業とは何か
分業とは、一つの商品を作る仕事を細かく分け、それぞれの労働者が担当することです。
例えば机を作る場合
Aさん:木を切る
Bさん:削る
Cさん:組み立てる
Dさん:仕上げる
一人ですべて行うより、短時間で大量生産できます。
② 工場手工業(マニュファクチュア)とは
工場手工業とは、
多くの職人が一つの工場で、それぞれ専門の作業だけを担当する生産方式です。
まだ機械はほとんど使われません。
つまり
道具は手工具
労働者は専門職化
資本家が全体を管理
という特徴があります。
③ 分業のメリット
資本家にとっては大きな利益があります。
✅ 作業が速くなる
✅ 熟練が早く身につく
✅ 生産量が増える
✅ 無駄な動きが減る
その結果、
相対的剰余価値が増加します。
④ 労働者への影響
しかしマルクスは問題点も指摘します。
仕事が細かく分けられるため
一つの仕事しかできない
全体が分からない
単純作業の繰り返し
人間らしい創造性が失われる
つまり
「人間が機械の部品のようになる」
と批判しています。
⑤ 資本家に都合がよい理由
専門化すると
新人でも仕事を覚えやすくなります。
そのため
熟練職人に頼らなくてよい
賃金を抑えられる
労働者を交代させやすい
資本家に有利な仕組みになります。
⑥ 分業から機械工業へ
マルクスは
協業
⬇
分業
⬇
工場手工業
⬇
機械制工業
という歴史の流れを示しています。
つまり工場手工業は、
近代工場への橋渡しだったのです。
🌟 この章のポイント(まとめ)
✅ 分業とは、一つの商品づくりを細かい作業に分けることである。
✅ 工場手工業(マニュファクチュア)は、多数の労働者が専門作業を分担する生産方式
である。
✅ 分業によって生産性が飛躍的に向上し、資本家は相対的剰余価値を増やせる。
✅ 一方で労働者は単純労働しか行えなくなり、人間性や技能の全体性を失いやすい。
✅ 工場手工業は、後の機械制工業(産業革命)の土台となった。
💡 学習のポイント
この第12章は、単に「仕事を分けると効率が上がる」という話ではありません。
マルクスは、「分業が生産力を高める一方で、労働者を単純作業へと固定し、資本家が労働を
より管理・支配しやすくなる仕組み」だと分析しています。
次回の**第13章「機械装置と大工業」**では、この工場手工業がさらに発展し、機械が生産の
中心となることで資本主義がどのように変化したのかを学びます。

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