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2026年3月7日土曜日

『資本論』の学習第187回第2巻資本の流通過程第2 扁資本の回転第16章可変資本の回転第2節個別可変資本の回転

 






資本論 第2巻

第2篇「資本の回転」第16章 可変資本の回転

第2節:個別可変資本の回転

この節では、カール・マルクス が 「労働者に支払われる賃金(可変資本)」

がどのように回転するか を、個々の資本の単位で説明しています。

ポイントは **「賃金資本はどのように前貸しされ、回収され、再び前貸し

されるのか」**です。


1 個別可変資本とは何か

まず「個別可変資本」とは

個々の資本家が、労働者の賃金として前貸しする資本

のことです。

  • 工場主が

  • 労働者に賃金を払う

この賃金として支払われる資本が 可変資本(v) です。

マルクスはこれを

個々の資本の運動として考察する

と言っています。


2 可変資本の回転とは

可変資本の回転は次の循環です。

① 資本家が賃金を前払い

② 労働者が労働する

③ 商品が生産される

④ 商品が販売される

⑤ 資本家が貨幣を回収する

⑥ 再び賃金として支払う

つまり

賃金として出した資本が、商品販売を通じて戻り、再び賃金として使われる

これが

可変資本の回転

です。


3 個別資本では「一度の前貸し」で何度も労働が行われる

ここがこの節の重要ポイントです。

例えば

  • 労働者の週給:100

  • 生産周期:1週間

  • 年間:50週間

とすると

資本家は

毎週100の賃金を払う必要がある

ように見えます。

しかし実際には

売上が次の賃金の原資になる

ので

資本家が最初に前貸しする資本は

1週間分だけ

で足ります。

つまり

年間賃金 5000

最初に必要な前貸し資本 100

となる。

これが

可変資本の回転による節約

です。


4 年間可変資本と前貸し可変資本の違い

マルクスはここで重要な区別をします。

概念

意味

前貸し可変資本

最初に必要な賃金資本

年間可変資本

1年間で支払われた総賃金

前貸し可変資本
100

回転回数
50回

年間可変資本
5000

つまり

同じ100の資本が50回回転する

ということです。


5 剰余価値との関係

ここで剰余価値の話が出ます。

労働者が生み出す価値


賃金(必要労働)

剰余価値(剰余労働)

可変資本が回転するほど

同じ資本から生み出される剰余価値は増える

なぜなら

同じ100の資本が

  • 1回回転 → 剰余価値1回

  • 50回回転 → 剰余価値50回

になるからです。


6 この節の核心

マルクスが言いたい核心は次です。

資本の大きさだけではなく
回転の速さが搾取量を決める

つまり

  • 資本量

  • 回転速度

の両方が重要。


7 超要約

第16章第2節の結論

  1. 可変資本は賃金として前貸しされる

  2. 商品販売により回収される

  3. 同じ資本が何度も回転する

  4. 回転が速いほど剰余価値は増える

つまり

資本の力は回転によって増幅される


もしよければ次も解説できます。

  • 第16章第3節 社会的総可変資本の回転(ここがかなり重要)

  • 可変資本回転と剰余価値率の公式

  • 第2巻で最も難しい
    第20章「単純再生産」

なども、図付きで分かりやすく説明できます。


第16章第3節 社会的総可変資本の回転


資本論 第2巻

第2篇「資本の回転」第16章 可変資本の回転

第3節:社会的総可変資本の回転

この節では、カール・マルクス が分析の視点を 個々の資本家(個別資本)から社会

全体(社会的総資本)へ拡張します。

第2節では

  • 個別資本の賃金資本の回転

を扱いましたが、第3節では

社会全体の賃金資本はどう回転しているのか

を説明します。


1 社会的総可変資本とは

社会的総可変資本とは

社会全体の資本家が労働者に支払う賃金の総額

です。

つまり

社会全体で見ると

  • 全ての賃金支払い

  • 全ての労働力購入

を合計したものになります。

記号で書くと

社会的総可変資本 = Σv


2 個別資本と社会資本の違い

ここがこの節の重要ポイントです。

個別資本では

  • 賃金は回転する

  • 同じ資本が何度も使われる

しかし

社会全体では事情が違う

のです。

理由は

労働者が受け取った賃金は

すぐに

生活手段の購入に使われる

からです。


3 社会全体で起こる循環

社会全体では次の循環が起こります。

① 資本家
→ 賃金を支払う

② 労働者
→ 生活手段を購入

③ 生活手段産業の資本家
→ 貨幣を受け取る

④ その資本家
→ 労働者に賃金を支払う

つまり

賃金 → 消費 → 再び賃金

という循環です。

図にすると

資本家 → 賃金 → 労働者

労働者 → 消費 → 商品市場

商品市場 → 貨幣 → 資本家


4 重要な結論

ここでマルクスが出す重要な結論は

社会全体では可変資本は回転していないように見える

ということです。

なぜなら

個々の資本家から見ると

賃金資本は回収されますが

社会全体では

賃金は

労働者の消費として常に流通している

からです。

つまり

個別資本では

回転

社会全体では

循環

という違いになります。


5 なぜこの分析が重要か

この節は次の理論につながります。

後の章で扱う

  • 社会的再生産

  • 部門Ⅰ(生産手段)

  • 部門Ⅱ(消費手段)

の分析の基礎になります。

特に

第20章
単純再生産

の理解に直結します。


6 マルクスの核心

マルクスがここで言いたいのは

資本主義社会では労働者の消費が資本の再生産を支えている

という点です。

労働者は

  • 賃金を受け取り

  • 消費し

  • 再び労働力を売る

つまり

労働者の生活そのものが資本の循環の一部

になっています。


7 第16章全体のまとめ

内容

第1節

可変資本の回転の基本

第2節

個別資本の回転

第3節

社会的総可変資本

流れとしては

個別資本 → 社会総資本

へ視点が拡張されています。


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