資本論 第2巻 第16章
「可変資本の回転」― 図による完全整理
著者:カール・マルクス
第16章は 3つの理論ブロックで構成されています。
以下では 大学講義でよく使われる整理図で説明します。
① 第16章の全体構造
第16章 可変資本の回転
┌───────────────┐
│ 第1節 剰余価値の年率 │
└───────────────┘
↓
┌────────────────┐
│ 第2節 個別資本の回転 │
│ 前貸資本と賃金総額 │
└────────────────┘
↓
┌────────────────┐
│ 第3節 社会的総資本 │
│ 社会全体の賃金流通 │
└────────────────┘
構造は
理論 → 個別資本 → 社会全体
という ミクロ→マクロ構造です。
② 第1節 剰余価値の年率
核心式
M' = m' × n
図
労働日
必要労働 剰余労働
───────┬───────
↓
剰余価値率
m'
しかし資本は
1年
│
├─回転①
├─回転②
├─回転③
└─回転④
つまり
年剰余価値 = 剰余価値 × 回転数
③ 第2節 個別資本の回転
ここでマルクスは重要な区別をします。
年間賃金総額 ≠ 前貸可変資本
例
週賃金 = 100
年 = 52週
年間賃金
100 × 52 = 5200
しかし前貸資本
100だけ
理由
資本回転
100 → 生産 → 販売 → 100回収
↓
再び賃金
図
資本循環
100
↓
賃金支払い
↓
生産
↓
商品販売
↓
100回収
↓
再投資
つまり
同じ資本が何度も使われる
④ 回転時間の理論
回転時間
回転時間 = 生産時間 + 流通時間
図
資本の時間構造
生産時間 流通時間
───────┬────────
工場 販売・輸送
年間回転数
n = 1年 / 回転時間
例
回転時間 = 3ヶ月
1年 = 12ヶ月
n = 4回転
⑤ 第3節 社会的総資本
ここで視点が変わります。
個別資本
↓
社会総資本
社会では
資本A 回転①
資本B 回転①
資本C 回転①
資本D 回転①
つまり
回転が同時進行
図
時間 →
A ────●────●────
B ──●────●────
C ─●────●────
D ●────●────
その結果
社会全体の賃金総額
>
前貸可変資本
⑥ 第16章の理論の核心
第16章の結論
剰余価値年率
=
剰余価値率 × 回転数
つまり
搾取の量
=
搾取率 × 回転速度
⑦ 資本主義競争との関係
この理論は現実の資本主義に直結します。
企業が競争で行うこと
輸送高速化
在庫削減
物流効率化
金融決済高速化
目的
回転速度 ↑
↓
剰余価値 ↑
⑧ 第2巻の中での位置
第1巻
搾取理論
(剰余価値)
↓
第2巻
回転理論
(時間)
↓
第3巻
利潤率理論
第16章は
第1巻と第3巻をつなぐ理論
です。
もしよければですが、
理解が一段深くなるので
「第16章を1枚の図で完全理解する“最強の整理図”」
(大学院の講義で使うレベルの図)も作ります。
これを見ると 第2巻の構造が一瞬で理解できます。
「第16章を1枚の図で完全理解する“最強の整理図”」
画像が作成されました • 資本論第16章の可変資本回転
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