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2026年3月9日月曜日

『資本論』の学習第189回第2巻資本の流通過程第2 扁資本の回転第17章剰余価値の流通

 





資本論第2巻「資本の流通過程」第2篇「資本の回転」**第17章「剰余価値の流通」**は、
資本が回転する中で剰余価値がどのように実現・流通するかを説明する章です。
ここはやや抽象的ですが、ポイントを整理すると理解しやすくなります。


第17章「剰余価値の流通」解説

1. 前提:剰余価値とは何か

まず復習です。

剰余価値(Surplus Value)
=労働者が生み出した価値 − 労働者の賃金

資本家はこの差額を利益として得ます。

  • 労働者が1日で 100の価値を生む

  • 賃金は 40

  • 残り 60 → 剰余価値

しかしここで重要なのは

剰余価値は「商品が売れてはじめて実現する」

という点です。


2. 剰余価値は流通で生まれるのか?

マルクスはここで強調します。

剰余価値は流通から生まれない。

なぜか。

もし流通で価値が増えるなら

  • 皆が高く売れば

  • 社会全体の価値が増える

ことになります。

しかし実際は

誰かの得=誰かの損

です。


Aが100の商品を120で売る
→ Aは20得
→ Bは20損

社会全体の価値は変わりません。

つまり

流通は価値を増やさない。


3. では剰余価値はどこから生まれる?

マルクスの答え

生産過程

です。

つまり

労働者が働くことで

新しい価値が生まれる。

しかし

資本家は労働力を
その価値(賃金)より長く使う

ため

剰余労働 → 剰余価値

が発生します。


4. 流通の役割

では流通は何をするのか。

役割は

剰余価値の実現

です。

流れを図にすると

貨幣

生産手段+労働力購入

生産

商品

販売

貨幣+剰余価値

G − W … P … W' − G'

  • G = 貨幣

  • W = 商品

  • P = 生産

  • W' = 剰余価値を含む商品

  • G' = 剰余価値を含む貨幣

つまり

流通は剰余価値を「実現する段階」

です。


5. 剰余価値は流通を通じて現金化される

生産だけでは

剰余価値は

まだ商品に含まれているだけ

です。

机を作る工場

  • 原材料 50

  • 賃金 50

  • 労働が生んだ価値 100

商品価値
=150

しかし売れなければ

剰余価値は実現されない

販売して初めて

資本家の利益になります。


6. 資本の回転との関係

この章は
第2篇「資本の回転」にあります。

つまり重要なのは

剰余価値の量は回転速度にも依存する

ということです。

同じ資本でも

  • 年1回転

  • 年4回転

では

剰余価値の年間量が変わる

1回で剰余価値100

1回転
→ 年100

4回転
→ 年400

だから

資本家は

  • 在庫削減

  • 物流高速化

  • 市場拡大

を追求します。


7. この章の核心まとめ

第17章のポイントをまとめると

① 剰余価値は流通から生まれない
② 剰余価値は生産過程で生まれる
③ 流通は剰余価値を実現する段階
④ 資本の回転速度は剰余価値量に影響する


8. マルクスの理論的狙い

この章の本当の目的は

「利益は商売の上手さから生まれる」という考えの否定

です。

古典的な見方
→ 商人の売買で利益が生まれる

マルクス
→ 利益の源泉は 労働搾取


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