follow me

 



2021年5月30日日曜日

第21回『資本論』の学習 マルクス『資本論』第一巻 向坂逸郎訳 フランス語版に対する序文とあとがき

 第21回『資本論』の学習 マルクス『資本論』第一巻 向坂逸郎訳

フランス語版に対する序文とあとがき


ロンドン1872年3月18日

モーリス・ら・シャートル殿

拝啓

『資本論』の翻訳を、定期的な分冊で刊行しようと言うあなたのお考えに私は賛成です。この形で出せば、この著作も、労働者階級に最も近づきやすいものとなりましょう。この点が私にとっては、他の一切のことよりも大事です。

 このことは、あなたのメダルの美しい方の側面です。だがこの場合その反面もあります。すなわち、分析の方法は、まだ経済上の問題に適用されたことのなかったものであって、はじめの諸章を読むのは かなり難しいのです。それでこういう恐れがありましょう。

 すなわち、フランスの読者は、始末を知るのにいつも気を焦り、一般原理と自分たちの現に心を奪われている問題との関連をち識るに急であるために、続けて読むのを厭うようになるのであろうということです。というのは、彼らにすぐ最初のところで一切が分かるというわけではないのですから。

 これは一つの不利な点です。これに対しては、私はどうにもしようがありません。ただいずれにしてもあらかじめこのことを注意しておいて、真理を求めている読者に心の準備をさせておくほかありません。

 学問には坦々たる大道はありません。そしてただ、学問の急峻な山路をよじ登るのに疲労困憊を厭わない者だけが、輝かしい絶頂を極める希望を持つのです。

                      早々敬具

                    カール・マルクス 

 ここでは、最後のこの言葉がどこでも取り上げられます。 『資本論』を読破する上で一番重要なところは、 この心構えであると言えましょう。 


次に変革の時代と『資本論』マルクスのすすめ『経済』編集部編 新日本出版社 32ページ(1)自らの頭脳を鍛えつつ学ぶ

①『資本論』は「科学としての経済学」を自らの頭脳を鍛えつつ学び、身につけるのだという覚悟を持って、相当の長い時間を確保して、精読せよ。

 革命家であり、盟友のエンゲルスとともに科学的社会主義の創始者であったマルクスは、1840年代に新しい「科学としての経済学」お家建てることを労働者階級から与えられた主要な任務」 であると自覚して経済学の研究に入り、1850年代にはイギリス古典派経済学をはじめとする自分に先立つ経済学をことごとく 批判し、克服して、その批判的継承の上に『資本論』を著しました。『資本論』こそは、マルクスと言う天才のまさに超人的な努力の結晶であり、「科学としての経済学」を確立させた「科学としての経済学の最高傑作」です。

 『資本論』は、第一部「資本の生産過程」、第2部「資本の流通過程」 第3部「資本主義的生産の総過程」、の全3部から成り立っています 。マルクスの予定では、この他に「剰余価値学説史」と言われる草稿を第4部に当てるつもりでした。第一部は、マルクス自身によって編集され、その初版は1867年に出版されました。第2部と第3部は、マルクスの死後エンゲルスによって編集され出版されました。

 この全3部からなる『資本論』の全体の基礎をなしているのは、マルクス自身によって編集され「一つの独立の著作」と言われる第一部です。マルクスは、『資本論』第一部(初版)の序言で「近代社会の経済的 運動法則を暴露することがこの著作の最終目的である」と言っていますが、第一部を学べば「この著作の最終目的」である近代社会すなわち資本主義社会の経済法則を基本的に理解することができます。ですから『資本論』を読む人は、まず第一部をよく読まなくてはなりません。

 このマルクスの畢生の大著である『資本論』を読む人は、まずマルクス自身が読者に与えた注意を心得ておくことが有益です。マルクスは、『資本論』の著実に関して多くの手紙を書いていますが、その中で「私の著作の長所はそれが一つの芸術的全体をなしていることだ」(エンゲルスあて)、「(この著作の目的は) 叙述の仕方そのものによって凡俗を武装解除することだ」、「このように大きな、そして部分的に難解な著作は、読破と消化の為に時間を必要とする」(クーゲルマンあて)と述べています。 33ページ 


 今回は短く 読んでで終わるということにしました。『資本論』の第1巻は20ページまで読み終わったことになります。序文あとがきでも、重要なことが書かれていますので、しっかり読んでみたいと思います。


0 件のコメント:

コメントを投稿

注目

『資本論』の学習第234回第3巻資本主義的生産の総過程第1部第5篇利子と企業者利得地への利潤の分割。 利子付き資本第25 章 信用と空資本

  5 資本論第3巻第5篇・第25章「信用と空資本」は、資本主義が高度に発展した段階で現れる** 金融の仕組みと“見かけの資本”**を分析する重要な章です。少し抽象的ですが、現代の株式市場 やバブル経済を理解する鍵にもなります。 ■ 全体のテーマ この章の核心はシンプルに言うと:...

また来てね