第43回 資本論 カール・マルクス 新日本 第1篇商品と貨幣 第1章 商品 第3節価値形態または交換価値
A 簡単な、個別的な、または偶然的な価値形態
1価値表現の両極―相対的価値形態と等価形態
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だれでも、ほかのことはなにも知らなくても、諸商品がそれらの使用価値の種々雑多な自然形態とはきわめていちじるしい対照をなす一つの共通の価値形態、すなわち貨幣形態をもっているということは知っている。
しかし、いまここでなしとげなければならないことは、ブルジョア経済学によって決して試みられることもなかったこと、すなわち貨幣形態の発生を立証すること、すなわち、諸商品
の価値関係に含まれている価値表現の発展を、そのもっとも簡単なもっともめだたない姿態から目をくらませる貨幣形態にいたるまで追跡することである。
それによって、同時に、貨幣の謎も消えうせる。
もっとも簡単な価値関係は、明らかに、どんな種類で と種類を異にするただ一つの商品に
いする一商品の価値関係である。
だから、二つの商品の価値関係は、一つの商品にとってのもっとも簡単な価値表現を与える。
(63) A 簡単な、個別的な、または偶然的な価値形態
x量の商品A = y 量の商品B すなわち、x量の商品Aはy量の商品Bに値する。
(20エレのリンネル=1着の上着 すなわち、二〇ェレのリンネルは一着の上着に値する)
1価値表現の両極―相対的価値形態と等価形態
すべての価値形態の秘密は、この簡単な価値形態のうちに潜んでいる。だから、この価値形態の分析には真の困難がある。
ここでは、種類を異にする二つの商品AとB、われわれの例ではリンネルと上着とは、明らかに、二つの異なった役割を演じている。
リンネルはその価値を上着で表現し、上着はこの価値表現の材料として役立っている。
第一の商品は能動的役割を演じ、第二の商品は受動的役割を演じている。第一の商品の価値は相対的価値として表わされている。
すなわち、この商品は相対的価値形態にある。第二の商品は等価物として機能する。すなわち、等価形態にある。
相対的価値形態と等価形態とは、同じ価値表現の、互いに依存し合い、互いに制約し合う、不可分の、契機であるが、同時に、互いに排除し合う、あるいは対立し合う、両極端、すなわち両極である。
それらは、つねに、この価値表現によって互いに関連させられる「二つの異なった商品に配分される。
私は、たとえば、リンネルの価値をリンネルで表現することはできない。20エレのリンネル=20エレのリンネルは、決して価値表現ではない。この等式が語るのは むしろ逆に、二Oェレのリンネルは二Oェレのリンネル、すなわち一定分量の使用対象であるリンネル、以外のなにものでもないということである。
したがって、リンネルの価値は、ただ相対的に、すなわち他の商品でしか、表現されえ
ない。それゆえ、リンネルの相対的価値形態は、なにかある他の商品がリンネルに相対して等価形態にあることを前提する。
他面、等価物の役をつとめるこの他の商品は、同時に相対的価値形態にあることはできない。それは自分の価値を表現するのではない。それは、他の商品の価値表現に材料を提
供するだけである。
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