第56回マルクス 資本論 第1巻 向坂逸郎訳 岩波書店の学習 84ページ
四 単純な価値形態の総体
B 総体的または拡大せる価値形態
1 拡大された相対的価値形態
ニ特別な等価形態
三総体的または拡大された価値形態の欠陥
偶然の事実であるからしれない。これに反して、第二の形態では直ちに、偶然の現象と本質的に区別され、かつこれを規定する背景が、露われている。
亜麻布の価値は、上衣で示されようと、コーヒーや鉄等々で示されようと、種々雑多な所有者に属する無数にちがった商品で示されようと、同じ大いさである。
二人の個人的な商品所有者の偶然的な関係はなくなってしまう。交換が商品の価値の大いさを規制するのでなく、逆に商品の価値の大いさが、その交換比率を規制するのであるということは、明瞭となっている。
ニ特別な等価形態
上衣、茶、小麦、鉄等々というような商品は、それぞれ亜麻布の価値表現においては、等価として、したがってまた価値体として働いている。
これらの商品のおのおのの特定なる自然形態は、いまでは多くの他の商品とならんで、一つの特別な等価形態である。同じように、各種の商品体に含まれている特定の具体的な有用な多種多様の労働種は、いまではそれと同じ数だけ、無差別の人間労働を、特別な実現形態または現象形態で示すことになっている。
三総体的または拡大された価値形態の欠陥
第一に、商品の相対的な価値表現は未完成である。というのは、その表示序列がいつになって終わらないからである。
一つの価値方程式が、他のそれを、それからそれとつないでいく連鎖は、引きつづいてつねに、新しい価値表現の材料を与えるあらゆる新たに現われる商品種によって引き延ばされる。
第二に、それは崩壊しがちな雑多な種類
の価値表現の色とりどりの寄木細工をなしている。最後に、あらゆる商品の相対的価値は、この拡大された形態で表現されざるをえないのであるが、そうなると、あらゆる商品の相対的価値形態は、すべての他の商品の相対的価値形態とちがった無限の価値表現の序列である。
―拡大された相対的価値形態の欠陥は、これに相応する等価形態に反映する。すべての個々の商品種の自然形態は、ここでは無数の他の特別な等価形態とならんで、一つの特別な等価形態であるのであるから、一般にただ制限された等価形態があるだけであって、その中のおのおのは他を排除するのである。
これと同じように、すべての特別な商品等価に含まれている特定の具体的な有用労働種は、ただ人間労働の特別な、したがって十全でない現象形態である。
人間労働は、その完全な、または総体的な現象形態を、かの特別な現象形態の総体的広がりの中にあってはいるが、なんら統一的の現象形態をもたない。
だが、拡大された相対的価値形態は、ただ単純な相対的価値表現、または第一形態の諸方程式の総和から成っているだけである。例えば
亜麻布 20 エレ=上衣1着
亜麻布 20 エレー茶10度等々
これらの諸方程式のおのおのは、だが、両項を逆にしてる同じ方程式である、
上衣1着=亜麻布 20 エレ
茶 10 封度=亜麻布 20 エレ等々
実際上、一人の男がその亜麻布を多くの他の商品と交換し、したがってその価値を、一連の他の商品の中に表現するとすれば、必然的に多くの他の商品所有者また、その商品を亜麻布と交換し、したがって、彼らの種々の商品の品 価値を同一の第三の商品、すなわち、亜麻布で表現しなければならぬ。
―かくて、もしわれわれが、亜麻布 20 エレ=上衣1着 =茶10 ぽんどまたは = その他というような序列を逆にするならば、すなわち、われわれが、
実際にはすでに序列の中に含まれていた逆関係を表現するならば、次のようになる。
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