第50回 マルクス 資本論 第1巻 向坂逸郎訳 岩波書店の学習 72ページ
A単純な、個別的な、または偶然的な価値形態
二相対的価値形態
a相対的価値形態の内実
b相対的価値形態の量的規定性
三 等価形態
Ⅳ 亜麻布と上衣の生産にそれぞれ必要な労働時間、したがって、それらの価値は、同時に同一の方向に変化するとしても、ちがった程度に変化するばあい、または反対の方向に変化するばあい等々がある。
一商品の相対的価値にたいする、この種のあらゆる可能な組み合わせの影響は、簡単にI、Ⅱ、Ⅲのばあいの応用によって明らかとなる。
このようにして価値の大いさの現実の変化は、その相対的な表現において、あるいは相対的価値の大いさにおいて、曖昧さを残さず反映されるわけでめ、剰すところなく反映されるわけでもない。
一商品の相対的価値は、その価値が不変であって変化しうる。その相対的価値は、その価値が変化して、不変でありうる。そして最後に、その価値 の大いさとその価値の大いさの相対的表現とにおける同時的変化は、決して相互に一致するわけのものではないのである。
(10) 第二版への注。価値の大いさとその相対的表現との間のこの不一致は、俗学的経済学によってもちまえの鋭敏さで、利用しつくされている。
例えば、「かりに、Aが低落するのは、その間にAにたいして支出される労働は減少しないとしてる、その交換されるBが上騰するからであるということを承認するとしたらどうか、そうなったら、諸君の一般的な価値原理は崩壊するであろう。
・・・もし、Aの価値は相対的にBにたいして上騰し、Bの価値は相対的にAにたいして低下するということを承認するならば、リカ ードが、一商品の価値はつねにこれに体現されている労働の量によって規定されるという、彼の大命題を樹立した基礎は、ゆらぐ。
なぜかというに、もしAの費用における変化が、それが交換されるBにたいする比率において、それ自身の価値を変化させるだけでなく、Bの生産に要する労働量においてなんらの変化が起こらなかったにもかかわらず、相対的にAの価値にたいするBの価値をも変化させるとするならば、一商品にたいして支出される労働量が、その価値を規制するということを主張する教義は、崩壊するだけでなく、一商品の生産費がその価値を規制するという教義も、亡びることになるからである」(J・ブロードハースト『経済学にかんする論策』ロンドン、 一八四二年、一一・一四ページ)。
ブロードハースト氏は、これと同じように、こう。言うことができたのだ。
こころみ に 10/20, 10/50, 10/100 等々という数的比率を考えて見るといい。10なる数に変わりはない。だがしかし、その比、その分母たる 20, 50, 100 にたいする相対的な大い
さは、不断に減少している。
だから、10というような整数の大いさが、例えば、これに含まれている1 の倍数によって「規制」されるという大原理は、崩壊してしまう、と。
三 等価形態(新日本95ページ)
われわれはこういうことを知った、すなわち、商品A(亜麻布)が、その価値を異種の商品B(上衣)という使用価値に表現することによって、Aなる商品は、Bなる商品自身にたいして独特な価値形態、すなわち、等価の形態を押しつけるということである。
亜麻布商品は、それ自身の価値たることをば、次のことによって現わしてくる、すなわち、
自分にたいして上衣が、その肉体形態とことなった価値形態をとることなくして、等しいものとして置かれるということである。
このようにして、亜麻布は自分自身価値であることを、実際には、上衣が直接に自分と交換しうるものであるということをつうじて、表現するのである。
一商品の等価形態は、それゆえに、この商品の他の商品にたいする直接的な交換可能性の形態である。
もし上衣というような一商品種が、亜麻布のような他の商品種にたいして、等価として用いられるとしても、したがって、上衣が亜麻布と直接に交換しうる形態にあるという独特の属性を得るとしてる、これによって、決して上衣と亜麻布とが交換されうる割合、与えられているというわけではない。
この割合は、亜麻布の価値の大いさが与えられているから、上衣の価値の大いさにかかっている。
上衣が等価として表現され、亜麻布が相対的価値として表現されるか、それと逆に亜麻布が等価として表現され、上衣が相対的価値として表現されるか、そのいずれにしても、上衣の価値の大いさが、その生産に必要な労働時間によって、したがって、その価値形態からは独立して決定されているということには、変わりはない。
しかし、上衣なる商品種が、価値表現において等価の地位をとることになると、その価値の大いさは、価値の大いさとしての表現をもたなくなる。
その価値の大いさは、価値方程式において、むしろただ一物のいち定量として現れるだけである。
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